本はごはん。
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「八朔の雪―みをつくし料理帖」の続編です。続編というか、
シリーズものになるのかしら?
前作より「説明臭さ」みたいなものがかなり軽減されてきているように
思います。
相変わらずいい人達ばっかりで、傷つきながら強くなっていく過程が
さわやかに描かれていて、読み物として上質です。
そして伏線の貼り方がうまいなぁ、と思う。
あまりべたべたの人情ものは好きではないのですが、この作品はきりり
とした筋が通っていて、
たとえば、貧しさを背負って必死に働く幼い奉公人に対して新しい着物をあてがって
やりたいと思いながらもそれを実行には移さない。たった着物一枚で簡単に自己満足も
得られれば、恩も売れる。
なによりその幼い貧しい姿を眼にして自分の心が痛む毎日からも解放されるのに。
そういった揺るぎない部分が丁寧に描き込まれているところがいいです。
前作では仄めかされていた「恋」が今回はっきり「恋心」として認識されていますが、
この、A は B が好きなんだが B は C が好きで、でも C が好きなのは D…
これをどうするつもりなのか楽しみです。
一方で、この著者の「出世花」を読んだときにも思ったのですが、完璧にいい人が揃っている、
という設定ではなくて、たとえばどーしようもないひとだとか、勧善懲悪的ではないもの、
そんなものも読んでみたくなります。
「花散らしの雨 みをつくし料理帖」 高田 郁 ★★★★
シリーズものになるのかしら?
前作より「説明臭さ」みたいなものがかなり軽減されてきているように
思います。
相変わらずいい人達ばっかりで、傷つきながら強くなっていく過程が
さわやかに描かれていて、読み物として上質です。
そして伏線の貼り方がうまいなぁ、と思う。
あまりべたべたの人情ものは好きではないのですが、この作品はきりり
とした筋が通っていて、
たとえば、貧しさを背負って必死に働く幼い奉公人に対して新しい着物をあてがって
やりたいと思いながらもそれを実行には移さない。たった着物一枚で簡単に自己満足も
得られれば、恩も売れる。
なによりその幼い貧しい姿を眼にして自分の心が痛む毎日からも解放されるのに。
そういった揺るぎない部分が丁寧に描き込まれているところがいいです。
前作では仄めかされていた「恋」が今回はっきり「恋心」として認識されていますが、
この、A は B が好きなんだが B は C が好きで、でも C が好きなのは D…
これをどうするつもりなのか楽しみです。
一方で、この著者の「出世花」を読んだときにも思ったのですが、完璧にいい人が揃っている、
という設定ではなくて、たとえばどーしようもないひとだとか、勧善懲悪的ではないもの、
そんなものも読んでみたくなります。
「花散らしの雨 みをつくし料理帖」 高田 郁 ★★★★
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